年度末の処理

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Moodleは学校または大学のような学術環境でも使用されるため、離脱した学生および教師を削除して、すべての重要な作業が保存されていることを確認しながら現在の学生を1年上に「上げる」処理は有用です。私たちは「年度末の処理」に関して話しているため、1つまたはそれ以上のコースへの学生の受講登録を準備するアプローチは年度末の処理とは無関係のはずです。ある教育機関では自分のペースで学習できる常時受講登録可能なコースがあるのに対して、いくつかの教育機関では毎月2週間オンラインコースを開催したり、また別の教育機関では学期ごとにコースを終了しているところもあります。


以下、いくつかの推奨処理および考慮すべき側面です (以下の内容はGavin Henrick氏のEnd of Year rolloverブログ記事を参考にしました。Gavin Henrickさん、ありがとうございます)。

最初の思索 First thoughts

  • この処理はいつ実行しますか? 学期末ですか? 休日期間中ですか? 多くの組織ではMoodleへの学生および教師のアクセスが少ない休日期間中に管理業務を実施する方が簡単であると考えているようです。作業中はサイトをメンテナンスモードにすることをお勧めします。
  • 年度末に受講を終えた学生を完全に削除しますか、または一定期間保持しますか? これはあなたが所属している組織または教育機関の方針に依存します。
  • 退職した教師およびその他スタッフメンバーもサイトから削除する必要があります。

どの戦略を選んだら良いですか? Which strategy to use?

学校、大学および他の組織には数多くの持ち越し (rolling over) 戦略があります。どの戦略が使用されるかは下記を含む多くの異なるクライテリアに依存します:

  • だれがコース構造およびコンテンツを作成したか
  • 開講されているコースのタイプ
  • 現在開講されているコースのボリューム
  • すべてのコースが同時に閉講/開講されるかどうか

以下、標準的なコース持ち越し方法です:

コースのバックアップ (アーカイブ) Backing up (archiving) courses

コースのバックアップ機能を使用することにより、アーカイブのためにユーザ詳細を含むコースのコピーを作成することができます (例 課題提出、フォーラム投稿等)。セキュリティ上の理由から、ユーザ詳細を含むコースのバックアップは通常の教師ではなく、管理者により実行されることに留意してください。 コースは外部ディスクまたは「アーカイブ」のような名称のカテゴリ内のMoodleに一般ユーザが閲覧できない形で保存することができます。そして、新しい学生の受け入れのためにオリジナルのコースを「リセット」することができます。

賛成 Pros:

  • 学生および教師は前のMoodleインスタンスにアクセスすることができます。
  • 初期コンテンツおよび活動はすでに新しいクラス用に作成されています。
  • それぞれの教師のカテゴリに十分なパーミッションがある場合、作業を中央の管理者から、教師にアウトソースすることができます。

反対 Cons:

  • Moodleサイト内に1つ以上のコースのコピーが存在することになります。
  • 教師によって実行される場合、教師はカテゴリ内でのコース作成権限を必要とします。
  • すべてのコースに必要な作業であり、リセットが必要なコース数に関する時間の線形費用でもあります。

代わりの方法として、空のコースを作成した上で教師に編集権限を与えて古いコースから新しいコースへのリソースおよび活動をインポートできるようにすることができます。詳細はコースデータをインポートするをご覧ください。

コースのリセット Resetting the courses

保管するためにコースをバックアップした場合、「設定 > コース管理 > リセット」のリンクをクリックすることによりコースをリセットすることができます。これによりコースからすべてのユーザが削除されますが、新しい年度で新たに登録される学生のために活動自体は保持されます。

これは自分のコース等に対して教師により実施することができます。教師はどの部分をリセットするのかコントロールすることができます。例えば、ユーザコンテンツを保持したい特定の活動 (例 フォーラム、用語集、データベース) をリセットしない場合があります。詳細はコースをリセットするをご覧ください。

賛成 Pros:

  • インスタンスに1つのコースのみあります。
  • 教師のパーミッションは変更しません。
  • 次年度のコースのために初期コンテンツおよび活動はすでに構築されています。
  • それぞれの教師は作業をアウトソース (外注) することができます。

反対 Cons:

  • これはすべてのコースに必要な作業であり、リセットが必要なコース数に関する時間の線形費用でもあります。
  • 多くの理由によりアクセスを希望されるであろう前のインスタンス内のモジュール等に対して、学生および教師はリアルタイムでアクセスすることができません。

新しいコースの作成 Creating a new course

3番目のオプションは毎年空のコースを作成した上で教師を割り当てる方法です。しかし、これでは教師が毎年再度新しいリソースおよび活動を構築する必要があります。希望すればインポートすることはできますが、コンテンツが改定されている場合があるため、前年度のものを再利用するのではなく、新しいバージョンを追加する必要があります。

賛成 Pros:

  • 学生および教師は前のMoodleインスタンスにアクセスすることができます。
  • コースのインスタンスそれぞれに関してコンテンツは潜在的に異なります。
  • それぞれの教師は作業をアウトソース (外注) することができます。

反対 Cons:

  • 誰かがコースを作成して教師権限を割り当てる必要があるため、それぞれの教師が作業をアウトソース (外注) することはできません。
  • Moodleサイトにはコピーするコースが1つ以上あります。
  • これはすべてのコースに必要な作業であり、リセットが必要なコース数に関する時間の線形費用でもあります。
  • 初期コンテンツおよび活動はまだ新しいクラス用に作成されていません。

新しいMoodleを作成する Make a new Moodle

もう1つのアプローチは学生の流入に合わせて新しいMoodleインスタンスを作成して、それぞれの年度を分離する方法です。必要なコース、ユーザ、リソースおよび活動のみ追加して、可能な限り無駄がなくパフォーマンスの高いものとします。 学生および教師に古いコースへのアクセスを許可したい場合、あなたはログインおよび利用できるようアーカイブ用のURLに古いコースを保持することはできます。しかし、これは新しいコンテンツおよびユーザからは隔離されます。

賛成 Pros:

  • 古いコースは学生および教師によってアクセスすることができます。
  • 実運用サイトには必要とされるデータのみが登録されます。
  • 実運用サイトは古いサイトと同じバージョンである必要はありません。

反対 Cons:

  • もう1つのMoodleインスタンスを管理/パッチ当て/アップグレードしなければならないことになります。
  • 教師が古いインスタンスから何かを必要とする場合、コンテンツをバックアップして、リストアの前に新しいサイトに追加する必要があります。ダウンロードおよびアップロードの余分な2ステップが追加されます。

他の検討事項 Other considerations

  • 誰がコンテンツを作成しますか? 誰が実際にコースへアップロードしますか? これは組織に応じて、1名の教師、管理者、学習技術者またはITコンサルタントとなります。どこに作業負荷が掛かるのか、作業負荷が掛かった時に誰が引き受けるのか理解することが最も重要です。
  • コースタイプはどのように繰り返しのアプローチに影響しますか? コース内に事前設定済みのコンテンツおよび活動があり、次のコース繰り返し時に変更する必要がない場合、強制的なコース再構築は避けるべき大きな負担となります。しかし、リソースが最新講義ノートのデジタルコピーおよび録音 (録画) された講義の場合、すべてのコースインスタンスは毎回再構築される可能性があります。
  • あなたのMoodleの規模はどのくらいですか? あなたのMoodleに10コースがある場合と2,000コースがある場合ではデータ移管に関して異なる対応が必要となります。2,000コースをバックアップした後に数日でリストアする場合、あなたのMoodleサイトに対して計画時に十分注意する必要のある著しい負荷がかかります。

次年度にコースにアクセスする Accessing the courses next year

  • 新しい学生および教師はコースにどのようにアクセスしますか? 両者共にアカウントの作成およびコースへの受講登録が必要となります。あなたにとってどの認証および登録が最も適していますか?
  • 同様に既存の教師および学生はどのように自分の新しいコースにアクセスしますか?

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