mhchemを使用した化学表記

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mhchemパッケージでは化学分子式および方程式をタイプセットするコマンドを提供します。

なぜmhchemなのですか?

TeX数学モードを使用して化学式および方程式を表示することはできます。 しかし、様々な理由でこれはかなり面倒になります。表示規則の違い: 数学では大文字をイタリック体で表示するのに対して、化学では元素記号を直立で表示します。上付き文字および下付き文字、イオンおよび同位体の複雑な表記、結合、平衡反応矢印等。

mhchem拡張モジュールは化学式および方程式をより適応的に表示します。また化学式および方程式をより自然に入力できます。Moodleにおいてmhchem構文はHTMLエディタ (TinyMCEまたはAtto) またはAtto化学プラグイン (Atto方程式プラグインと同様) に直接テキスト入力できます。

これは特に同位体、相対原子質量、相対分子質量、経験式、分子式、平衡方程式 (完全方程式およびイオン方程式)、平衡反応、熱力学を文書化するのに役立ちます。

より複雑な構造式および表示式 (有機化学等)、相同系列および機能グループについては、MarvinJSベースのChemical structures and reaction editorのような「描画」プラグインを検討するのも良いでしょう。

インスト―レーション

mhchemパッケージをMoodleに統合するには2つの方法があります。最初のMathJax経由はセットアップが最も簡単で高品質のレンダリングを提供します。しかし、MathJaxのレンダリングはブラウザによるクライアントサイドのJavaScript処理に依存しているため、いくつかのプラットフォーム (特にモバイル) または特に複雑な数学/科学式等では大幅な遅延が発生する可能性がありますまた、MathJaxと他のJavaScriptライブラリ間 (例えばいくつかのサードパーティのMoodleプラグイン) に競合があるかもしれません。このような場合、サーバサイドのTeXフィルタを使用するのが有利でしょう。最初の読み込みの後、TeXフィルタが生成した画像がキャッシュされた時点で素早く表示されます。Moodle2.8の新しいSVG出力オプションはMathJaxの品質に近づいていますが、TeXフィルタは一般的により低いクオリティの表示 (MathJax > SVG > PNG > GIF) を生成します。

Moodle 2.8ではTeXフィルタおよびMathJaxフィルタを並列に有効にして、TeXフィルタ (特にSVGレンダリング) がMathJaxのフォールバックおよびその逆を提供することで「両者の長所を併せ持つ」ことが可能です。

MathJax経由

MathJaxはウェブ上で数学を表示するためのデファクトスタンダードになっています。バージョン2.7以降、MoodleにはMathJaxローダフィルタが組み込まれています。しかし、まだmhchemをMathJax設定に追加する必要があります。

「管理 > サイト管理 > プラグイン > フィルタ > Mathjax > ローカルMathjaxインストール」でMathjax設定を編集してTeX拡張機能にmhchem.jsを含めます:

TeX: {extensions: ["AMSmath.js","AMSsymbols.js","mhchem.js","noErrors.js","noUndefined.js"]},

Moodle 2.6およびそれ以前ではMathJaxはmhchemエクステンションと共にサイトHEADセクションに追加できます:

管理 > サイト管理 > アピアランス > 追加HTML > HEAD内

LaTeX経由

LaTexと一緒にmhchemをMoodleサーバに追加してMoodle TeXフィルタも使用できます。あなたは以下のバイナリをMoodleサーバにインストールおよび設定する必要があります。

latex

dvips

および and either

SVG レンダリング用dvisvg (Moodle 2.7およびそれ以前)

または

PNG/GIFレンダリング用convert (Moodle 2.7およびそれ以前)

mhchem

インストール詳細はサーバのオペレーティングシステムに応じて異なります。ほとんどのLinuxディストリビューションではバイナリおよび依存関係をインストールするために標準のパッケージマネージャを使用できます。例) Fedora 20のmhchemは次のコマンドでインストールできます: yum install texlive-mhchemあなたは代わりにLinux、Windows、Macintoshサーバ用のmhchemを含む適切なLaTeXインストールバンドルも使用できます。

インストール後、あなたのMoodleの「管理 > サイト管理 > プラグイン > フィルタ > Tex表記法 > LaTeXレンダラ設定」で既存のLaTeXプリアンブルに以下を追加してください:

\usepackage{mhchem}

以下のような (または類似の) プリアンプルを追加した場合:

\usepackage[latin1]{inputenc} \usepackage{amsmath}

\usepackage{amsfonts}

\usepackage{mhchem} \RequirePackage{amsmath,amssymb,latexsym}

Atto化学エディタプラグイン

一旦、TeXおよび/またはMathJaxローダフィルタがmhchemを使用するよう設定および有効にされた場合、mhchem式は以降のセクションでの詳細説明のように組み込みテキストエディタ (TinyMCEまたはAtto) でMoodleに直接入力できます。

しかし、ユーザにはAtto Chemistry editorプラグインも便利かもしれません。これは式を必要な区切り文字で自動的にラップ (例: \ce{...}) して、よく使われる記号、同位体形式、反応および平衡の矢印などのタブ付きツールバーおよびボタンのセットを提供します。 元素記号ボタンは周期表レイアウトで配置されています。また、化学の文脈で有用な「標準的な」TeX記号 (ギリシャ文字およびイタリック文字等) も組み込まれています。

WYSIWYG化学エディタとまではいきませんが、化学方程式の構築を簡素化してコーディング環境およびmhchem構文の補助メモリとしても機能します。

基本

mhchemは現在このドキュメントWikiにインストールされていないことに留意してください。そのため、化学式および方程式の表示はシミュレートされており、mhchemを使ったレンダリングとは「正確」に一致しないかもしれません。

TeXのデフォルトの区切り記号は表示される数学の場合は\[...\]または$$...$$ であり、インラインの数学の場合は\(...\)となります。数学区切り文字 (例 \[\ce{...}\]) または表示化学式 (例 $$\ce{...}$$) およびインライン化学式 (例 \(\ce{...}\)) 内部にはmhchem追加デリミタ (\ce{...}) を必要とします。この文書の他の部分では、TeXの区切り記号は明示的に示していない。この文書の他の部分ではTeXの区切り記号は明示的に示していません。

\ce{ H2O }

\ce{ Sb2O3 }

\ce{ H+ }

\ce{ CrO4^2- }

\ce{ AgCl2- }

\ce{ [AgCl2]- }

\ce{ Y^{99}+ }

\ce{ H2_{(aq)} }

\ce{ NO3- }

\ce{ (NH4)2S }

合計 Amounts

数式の前に直接合計を置いてください。小さなスペースが自動的に挿入されます。

\ce{ 2H2O }

\ce{ 1/2H2O }

Isotopes

\ce{ ^{227}_{90}Th+ }

上の構文はほとんどの文脈で機能しますが、中括弧の先頭のペアが必要になる場合もあります。 \ce{ {}^{227}_{90}Th+ }

フォント

数学の環境にいるとき (例えば\[...\]\(...)\$$...$$で開いたり閉じたりする場合) は単純に\ceを使って内容を正立フォントで設定できます。覚えておいてください: VolumeのVのようにすべての変数はイタリック体、物理単位および化学元素は正立体で設定します。

$V_{\ce{H2O}}$

When used in text mode, \ce adapts to the current text font. You could simply write a formula in one of your section titles it would be set with the correct, no matter where is appears (sectiontitle, header, contents, references, ...). テキストモードで使用される場合、\ceは現在のテキストフォントに適応します。セクションタイトルの1つに数式を書くだけでどこに (セクションタイトル、ヘッダ、コンテンツ、参考文献 ...) 表示されても正しいフォントが設定されます。

, \ce{ H2O }, $\ce{H2O}$

\ce{ Ce^{IV} }

特殊なケースもあります。テキストモードのマイナス電荷 (-) はダッシュ (-) に置き換えられます。すべての「演算子」、例えば「+」および反応矢印は常に数学フォントから取得されます。

特殊記号 Special Symbols

\ce{ KCr(SO4)2*12H2O }

\ce{ KCr(SO4)2.12H2O }

\ce{ [Cd\{SC(NH2)2\}2].[Cr(SCN)4(NH3)2]2 }

, $\ce{ RNO2^{-.}}$, \ce{RNO2^{-.} }

\ce{ $\mu\hyphen$Cl }

結合

水平結合は数式内で-=# (単結合、二重結合、三重結合) を使用して設定できます (数式の最後に-を付けた場合、マイナスになります)。

\ce{ C6H5-CHO }

\ce{ X=Y#Z }

\ce{ A\sbond B\dbond C\tbond D }

本によっては結合のイメージの仕方が極端に異なります。現在、結合を表示するために (テキストモードの場合でも) 数学フォントのマイナス記号が使用されています。結合は算術軸に垂直に並びます。ほとんどの数学フォントではこれは大文字の高さの半分よりも低い高さです。

あなたは\bondコマンドでいくつかのタイプの結合コマンドを活字に組みこめます。

\ce{ A\bond{-}B\bond{=}C\bond{#}D }

\ce{ A\bond{~}B\bond{~-}C }

\ce{ A\bond{~=}B\bond{~--}C\bond{-~-}D }

\ce{ A\bond{...}B\bond{....}C }

\ce{ A\bond{->}B\bond{<-}C }

数学を使用する Using Math

\ce{...}の中で数学コマンドを使用するにはコマンドを$で囲んでください。

\ce{ Fe(CN)_{$\frac{6}{2}$} }

\ce{ $x\,$ Na(NH4)HPO4 ->[\Delta](NaPO3)_{$x$} + $x\,$ NH3 ^ + $x\,$ H2O }

\ce{ CH_4(g) + 2O_2(g) -> CO_2(g) + 2H_2O(l) $\quad \Delta H_\ce{c}^{\ominus} = -890.3 \;$ kJ $\;$ mol^{-1} }

公式

反応矢印

\ce{ CO2 + C -> 2CO }

\ce{ CO2 + C <- 2CO }

\ce{ CO2 + C <=> 2CO }

\ce{ H+ + OH- <=>> H2O }

\ce{ $A$ <-> $A’$ }

\ce{ CO2 + C ->[\alpha] 2CO }

\ce{ CO2 + C ->[\alpha][\beta] 2CO }

^ および_と同様に反応矢印の上下の内容は数式フォントに設定されます。そこに説明的なテキストを入れたい場合、\textコマンドを使用してください。また、あなたはショートカットとして反応矢印および開き括弧の間に'T'を入力することもできます。

\ce{ CO2 + C ->[\text{above}] 2CO }

\ce{ CO2 + C ->[\text{above}][\text{below}] 2CO }

\ce{ CO2 + C ->T[above][below] 2CO }

Similarly, there is a shortcut for using \ce with reaction arrows:

\ce{ $A$ ->[\ce{+H2O} ] $B$}

\ce{ $A$ ->C[+H2O] $B$ }

沈殿 (Precipitate) およびガス (Gas)

沈殿物 (矢印の下) はvまたは (v)、気体 (矢印の上) は^または (^) をスペースで区切って使用してください。

\ce{ SO4^2- + Ba^2+ -> BaSO4 v }

気を付けて!

スペースを中括弧で囲まなければならないことがあることに注意してください。特に反応矢印に属する括弧の間にスペースがある場合はそうしなければなりません。

\ce{ $A$ <->T[{Enclose spaces!}] $A’$ }

さらなる例 Further Examples

\ce{ Zn^2+ <=>[\ce{+ 2OH-}][\ce{+ 2H+}]$\underset{\text{amphoteric hydroxide}}{\ce{Zn(OH)2 v}}$<=>C[+2OH-][{+ 2H+}]$\underset{\text{tetrahydroxozincate}}{\cf{[Zn(OH)4]^2-}}$ }

$K = \frac{[\ce{Hg^2+}][\ce{Hg}]}{[\ce{Hg2^2+}]}$

\ce{ Hg^2+ ->[\ce{I-}]$\underset{\mathrm{red}}{\ce{HgI2}}$->C[I-]$\underset{\mathrm{red}}{\ce{[Hg^{II}I4]^2-}}$ }

さらなる情報

mhchemパッケージ

mhchemマニュアル

MathJaxおよびmhchem