「アナリティクス」の版間の差分
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ラーニングアナリティクスとは、学習者の過去の履歴データや現在の振る舞いに基づいて、明らかになっていない学習プロセスの状況を予測したり検出したりするアルゴリズムのことです。ラーニングアナリティクスは、主に4つのカテゴリに分けられます。 | |||
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ほとんどの商用ソリューションは記述的なもののみです。予測的なアナリティクスは、学習について、すべての人に当てはまるわけではない特定の仮定を用います。 | |||
=== | ===アナリティクスとレポートはどう違うか=== | ||
Moodleはログデータに基づくさまざまなレポートを標準機能として提供していますが、それらは記述的なものです。つまり、参加者に何が起こったのかは教えてくれますが、その原因は教えてくれません。また、結果を予測したり、結果を改善する方法を参加者にアドバイスしたりしません。ログデータは非常に詳細ですが、それ自体は学習プロセスを説明するものではありません。ログデータで、「誰が」「何を」「いつ」は分かりますが、「なぜ」や「どれだけうまく」は分かりません。エンゲージメントのパターンを知るためには、さらに、各マイクロアクションの周囲のコンテキストが何だったかのかという情報が必要です。 | |||
Moodle用の記述的アナリティクスを提供するサードパーティのプラグインも多く存在します。サードパーティの(Moodleとは独立した)レポート機能との統合もあります。これらの記述的アナリティクスもまた、その意味を解釈し、予測し、処方箋を作成するためには、人間の判断が必要です。 | |||
これまで多くの場合、ラーニングアナリティクスシステムは、過去の活動を分析して、将来の活動をリアルタイムで予測しようと試みてきました。 Moodleラーニングアナリティクスは、さらに野心的であり、完全なラーニングアナリティクスは、今後起こることを予測するだけでなく、今後起こることをよりポジティブにするのに役立つと信じています。 | |||
===機能=== | ===機能=== | ||
*サポートされている2種類のモデル: | *サポートされている2種類のモデル: | ||
**予測モデルを含む機械学習ベースのモデル | **予測モデルを含む機械学習ベースのモデル | ||
** | **単純なルールを使用して懸念事項を検出するための静的モデル | ||
* | * 最初から用意されている3つのモデル:「[[脱落リスクのある学生]]」「直近の活動期限」「授業なし」 | ||
* [https://en.wikipedia.org/wiki/Community_of_inquiry Community | * [https://en.wikipedia.org/wiki/Community_of_inquiry Community of Inquiry]に基づく学生エンゲージメント[[ラーニングアナリティクスの指標|指標]] | ||
* | *サイト個別のデータに対してモデルを評価するための標準ツール | ||
* [[イベントリストレポート | イベント]] | * [[イベントリストレポート | イベント]]を使用した先回りサポートとしての通知 | ||
* | *推奨されるアクションのリストが、各モデルの洞察通知とともに提供されます。たとえば、[[脱落リスクのある学生]]モデルでは、教師はこのモデルでマークされた学生にメッセージを送信したり、学生の[[活動レポート|活動レポート]]へのリンクをクリックして、その学生のコース内の活動の詳細を確認したりできます。 | ||
* [[アナリティクスAPI(Dev docs) | API]] | * サードパーティのMoodleプラグインのための指標と予測モデルを構築する[[アナリティクスAPI (Dev docs)|API]] | ||
* | *機械学習バックエンドのプラグイン形式:PHPとPythonをサポートし、他の機械学習バックエンドを実装する拡張も可能 | ||
* | *システムは、再利用可能なターゲット、指標、およびその他のコンポーネントに基づいて、新しいカスタムモデルによって簡単に拡張できます。詳細については、[[アナリティクスAPI (Dev docs) |アナリティクスAPI]]の開発者向けドキュメントを参照してください。 | ||
===制限=== | ===制限=== | ||
* [[脱落リスクのある学生]] | * [[脱落リスクのある学生]]などの機械学習モデルは、データのあるサイトでトレーニングする必要があります。それを行わないと、これらのモデルはサイトでの予測を行うことはできません。 | ||
* | *モデルは、それぞれの組織の教育上の優先事項を考慮した上で、設計および選択する必要があります。 | ||
==設定== | ==設定== | ||
Moodleラーニングアナリティクスのシステムは、使用する前にいくつかの初期設定を必要とします。詳細については、[[アナリティクスの設定]]を参照してください。 | |||
==アナリティクスの使用== | ==アナリティクスの使用== | ||
MoodleラーニングアナリティクスAPIは、非常に多様なモデルの基礎となるオープンシステムです。モデルには、指標(予測子とも呼ばれる)、ターゲット(予測しようとしている結果)、洞察(予測そのもの)、通知(洞察の結果として送信されるメッセージ)、アクション(メッセージの受信者に提供される)を含めることができます。 | |||
ほとんどのラーニングアナリティクスのモデルは、デフォルトでは有効になっていません。モデルを有効にする前に、組織としての目標を考慮した上で、そのモデルがふさわしいのかを検討する必要があります。詳細については、[[アナリティクスの使用]]を参照してください。 | |||
==モデルの管理== | ==モデルの管理== | ||
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==ケイパビリティ== | ==ケイパビリティ== | ||
アナリティクスのケイパビリティは2つあります。 | |||
* [[Capabilities/moodle/analytics:managemodels|モデルを管理する]]- | * [[Capabilities/moodle/analytics:managemodels|モデルを管理する]] - マネージャのデフォルトのロールにのみ与えられる | ||
* [[Capabilities/moodle/analytics:listinsights|洞察一覧を表示する]]- | * [[Capabilities/moodle/analytics:listinsights|洞察一覧を表示する]] - マネージャ、教師、編集権限のない教師のデフォルトのロールに与えられる | ||
==よくある質問== | ==よくある質問== |
2020年11月23日 (月) 05:08時点における最新版
概要
ラーニングアナリティクスとは何か
ラーニングアナリティクスとは、学習者の過去の履歴データや現在の振る舞いに基づいて、明らかになっていない学習プロセスの状況を予測したり検出したりするアルゴリズムのことです。ラーニングアナリティクスは、主に4つのカテゴリに分けられます。
- 記述的(何が起こったのか)
- 予測的(次に何が起こるか)
- 診断的(なぜそれが起こったのか)
- 処方的(改善のために行うべきこと)
ほとんどの商用ソリューションは記述的なもののみです。予測的なアナリティクスは、学習について、すべての人に当てはまるわけではない特定の仮定を用います。
アナリティクスとレポートはどう違うか
Moodleはログデータに基づくさまざまなレポートを標準機能として提供していますが、それらは記述的なものです。つまり、参加者に何が起こったのかは教えてくれますが、その原因は教えてくれません。また、結果を予測したり、結果を改善する方法を参加者にアドバイスしたりしません。ログデータは非常に詳細ですが、それ自体は学習プロセスを説明するものではありません。ログデータで、「誰が」「何を」「いつ」は分かりますが、「なぜ」や「どれだけうまく」は分かりません。エンゲージメントのパターンを知るためには、さらに、各マイクロアクションの周囲のコンテキストが何だったかのかという情報が必要です。
Moodle用の記述的アナリティクスを提供するサードパーティのプラグインも多く存在します。サードパーティの(Moodleとは独立した)レポート機能との統合もあります。これらの記述的アナリティクスもまた、その意味を解釈し、予測し、処方箋を作成するためには、人間の判断が必要です。
これまで多くの場合、ラーニングアナリティクスシステムは、過去の活動を分析して、将来の活動をリアルタイムで予測しようと試みてきました。 Moodleラーニングアナリティクスは、さらに野心的であり、完全なラーニングアナリティクスは、今後起こることを予測するだけでなく、今後起こることをよりポジティブにするのに役立つと信じています。
機能
- サポートされている2種類のモデル:
- 予測モデルを含む機械学習ベースのモデル
- 単純なルールを使用して懸念事項を検出するための静的モデル
- 最初から用意されている3つのモデル:「脱落リスクのある学生」「直近の活動期限」「授業なし」
- Community of Inquiryに基づく学生エンゲージメント指標
- サイト個別のデータに対してモデルを評価するための標準ツール
- イベントを使用した先回りサポートとしての通知
- 推奨されるアクションのリストが、各モデルの洞察通知とともに提供されます。たとえば、脱落リスクのある学生モデルでは、教師はこのモデルでマークされた学生にメッセージを送信したり、学生の活動レポートへのリンクをクリックして、その学生のコース内の活動の詳細を確認したりできます。
- サードパーティのMoodleプラグインのための指標と予測モデルを構築するAPI
- 機械学習バックエンドのプラグイン形式:PHPとPythonをサポートし、他の機械学習バックエンドを実装する拡張も可能
- システムは、再利用可能なターゲット、指標、およびその他のコンポーネントに基づいて、新しいカスタムモデルによって簡単に拡張できます。詳細については、アナリティクスAPIの開発者向けドキュメントを参照してください。
制限
- 脱落リスクのある学生などの機械学習モデルは、データのあるサイトでトレーニングする必要があります。それを行わないと、これらのモデルはサイトでの予測を行うことはできません。
- モデルは、それぞれの組織の教育上の優先事項を考慮した上で、設計および選択する必要があります。
設定
Moodleラーニングアナリティクスのシステムは、使用する前にいくつかの初期設定を必要とします。詳細については、アナリティクスの設定を参照してください。
アナリティクスの使用
MoodleラーニングアナリティクスAPIは、非常に多様なモデルの基礎となるオープンシステムです。モデルには、指標(予測子とも呼ばれる)、ターゲット(予測しようとしている結果)、洞察(予測そのもの)、通知(洞察の結果として送信されるメッセージ)、アクション(メッセージの受信者に提供される)を含めることができます。
ほとんどのラーニングアナリティクスのモデルは、デフォルトでは有効になっていません。モデルを有効にする前に、組織としての目標を考慮した上で、そのモデルがふさわしいのかを検討する必要があります。詳細については、アナリティクスの使用を参照してください。
モデルの管理
モデルが有効化およびトレーニングされると、洞察が生成されます。モデルのパフォーマンスと精度も監視する必要があります。詳細については、アナリティクスの管理を参照してください。
ケイパビリティ
アナリティクスのケイパビリティは2つあります。